マスコミ業界

　
　マスコミ業界といえば、人気の高い就職先としてよく知られていますが、その人気とは裏腹に業界全体では、現在大きな変革と試練の時期を迎えているようです。

大きな試練にあっているマスコミ業界の中には出版業界がありますが、出版業界では1990年代末に業界の不況を映し出す出版不況という言葉が生まれました。
そしてその後も不況は続き、老舗といわれた書店や出版社の倒産も相次いで起こっています。

また不況の波をまともに受けたもう一つのマスコミ業界に新聞業界がありますが、この二つの業界に共通して言えることは、活字媒体を通して人に情報を提供しているということです。

最近一般的に言語能力の低下や勉学意欲の減退による、知的水準の低下が原因といわれる活字離れの現象や、インターネットの普及によって新聞購読の必要性がなくなるなど、これらの業界において多くの企業が苦境に立たされています。

放送業界におけるここ数年の変化を見ると、衛星放送とCATVの普及によって多チャンネル化が進み、それによって多種多様な内容や分野の番組が増え、視聴者の立場では番組の選択の幅が広がりました。

それからアナログに比べて雑音のほとんどないデジタル信号を送ることによって、品質を保持したままの圧縮された情報で、一度に大量のデータが送信できる放送のデジタル化や、また大容量のデータを一度に高速で送受信することのできる高速通信回線のことを指すブロードバンドの発達などが挙げられます。

このような変化に対応するため、地上波テレビ放送と、BS(放送衛星)、CS(通信衛星)、CATVなどの衛星放送各社の間で熾烈な競争が繰り広げられています。

マスコミ業界で働くには、視聴者や読者が本当に求めている、正確で新しい情報や内容をその都度提供していかなければならないため、視聴者や読者のニーズに答えることができるように常に情報に対するアンテナを張り巡らせ、新鮮なニュースや経済の動き、最先端の流行やスポーツ、芸能界での出来事などについて追い求めていなければなりませんが、そのためには、人より一歩先に進もうとする努力が必要となります。

またマスコミ業界では、ここ最近讀賣新聞、小学館、日本テレビなどを初めとして、在学中の学生が自分の選考学科や将来の進路と関連した企業に体験的に入社するインターンシップの実施を図っているところが増えていて、そういう企業では実際の就業体験を書類選考の際の一つの要件として取り入れています。
マスコミ業界と一口に言ってもさまざまな業種と職種がありますので、就職するための対策としては、自分が希望する業種及び職種の内容を関連書籍やインターネットサイトなどを通して、十分に理解してから具体的な就職の計画を立てていったらいいと思います。